トナリの無口くん
練習するとはいえ、ほかの種目が使っているからグラウンドは大半が使えない。
「なにする???」
またもや沈黙。
「上原ぁ!!こっちは聞いてるんですけど??答えろや」
上原はあたしを睨んだ。
「だからあ、高原なんで怒ってんねん。ウザス」
も〜〜!!!
ウザスって言葉がウザいわ!!!!
「た……高原さん……上原くんの言うとおりです………」
はぁ????
秋本さーん、あなた何言ってるんですかぁ???
「そうやぞ!!高原ぁ、ウザス〜〜〜〜」
なにこいつら〜〜〜〜〜〜〜
あたしはイライラしすぎて、言葉が出なかった。
「………高原は、なんもウザいことしてないですよ」
………え…………
あたしの前には、さっきまでなかった背中があった。
「野口…………」