トナリの無口くん
「そもそも、高原が怒ってる理由わからないんですか??」
「は………???」
上原と秋本さんが固まった。
「あんたらが……なにも意見言わなかったからですよね??怒られて当然の態度でしたよね??」
「……………」
二人はなにも言ってこない。
「あなたたち真面目に練習する気あるんですか???俺からみたら、あんたたちの方が……………ウザイです」
野口の目は、少し怒っているように見えた。
「わかったなら…………練習しましょう」
野口は二人にそう言うと、ウォーミングアップを始めた。
二人もしぶしぶやり始めた。
あたしも戸惑いながら、野口の横でウォーミングアップした。
まさか、野口がかばってくれるなんて。
無口な野口が、あんな長い言葉を話すなんて。
意外でしょうがなかった。
………でも嬉しかった。