トナリの無口くん
「いらんのやったら、ボクがもう一個もらうで」
ちょっと待って。
あたしあげるなんて言ってませんけど。
野口は小川を呆れた目でみた後、あたしの方を向いた。
「………じゃ、ちょうだい」
「え??あ、はい」
あたしはなにがなんだかわからないまま、野口にゼリーを渡した。
「………ありがと」
野口はあたしがいる方と真逆の方を向いてしまった。
「野口がお礼言うん、久しぶりに見たわ〜〜。ボクには言ってくれへんもん」
小川がそう言うと、野口はキッと小川を睨んだ。
なんだかんだ言って、ご飯の時間は楽しかった。
好きな人とご飯食べるのって………そんなにあることじゃないよね??
嫌いだった体育大会を、少し見直した。