トナリの無口くん
あたしの予想とは裏腹に、小川はちゃっかり三位を走っていた。
四位とかなりの差を付けて。
小川って、足はやいの〜〜〜!!??
でもよく見ると、四位以降の選手たちが、言うほど速くないことに気がついた。
なんだぁ………
見かけ倒しかよ……
小川が予想より少し速いのと、ほかの人が予想よりかなり遅いので、あたしの予想は覆されたんだ。
結局小川はそのまま三位でバトンを渡し、あたしのクラスの人たちはひとつ順位をあげて二位になっていた。
「おつかれ〜〜」
「いやぁ〜〜頑張ったで」
小川はVサインをした。
「ほかのやつ速そうやってさぁ〜〜あぁもうボクあかんわ!!って思ったんやけど、意外と遅くて驚いたわ」
本人も同じことを考えていたんだ。
「もうすぐ高原のリレーやな!!頑張れよ!!野口もおるし」
「野口ってさぁ……足速い??」
「う〜〜〜ん………わからん。期待はせんとき」
小川って………
いつもわからんって言うよね………
頑張れって言ってもらったのは嬉しいけど……
「かっこよかったよ」って言えなかった。
あたし、消極的なのかも………