トナリの無口くん
「!!!!」
上原はすぐに起き上がって走り出した。
でも最下位に落ちてしまった。
あたしのクラスの七組の方が、ざわっとしたのがわかった。
悔しいだろうね、上原。
あんなところでこけるなんて。
この分はあたしたちが巻き返さなきゃならないんだ。
秋本さんにバトンが渡された。
秋本さんも必死で走っている。
それは見たらわかる。
でも、六位と最下位の差は縮まらない。
あたしはトラックの一番外側に立った。
秋本さんとの距離が縮まる。
ほかのクラスはもう走り出した。
あたしが、
あたしがこの差を縮めるんだ!!!!
「た、高原さん」
秋本さんからバトンを受け取った。