トナリの無口くん
あたしは息を切らしてトラックの内側へ入った。
それにしても………
野口あのとき………
叫んだよね???
あたしの名前。
いつもの野口から想像もつかないほどの大きな声で。
野口が叫んでくれなかったら、あたしバトンパスできっともたついてた。
野口が叫んでくれたから、野口の方に一直線に走れたんだ。
野口は無口なはずなのに…………
叫んでくれたんだ。
あたしがそんな事を考えていたら、七組の方がざわめいているのに気がついた。
あたしは走っている野口を見る。
「…………えっ??!!!」
あたしは息をのんだ。
さっきからほんの数秒しかたってないのに…………
七組一位になってる〜〜??!!!!