トナリの無口くん
結果、あたしのクラスは総合三位だった。
まぁ、いい方だよね??
体育大会が終わっても、あの時の野口の張り上げるような声は、あたしの頭に響いていた。
また今日、野口の違う一面をみた気がした。
「お疲れさん♪♪」
「小川………」
小川はあたしの隣でお茶を飲み始めた。
「楽しかったな。体育大会」
「そうだね」
あたしは本当にそう思う。
今までで一番楽しかった。
「それにしても、野口はビックリしたで〜〜。まさかあんなに足速いなんて」
小川も知らなかったんだ…………
「そーいえば、高原も速かったやんなぁ??」
「あ、あれは、野口が叫んでくれたからで…………」
あたし自分が速いなんて思わなかった。
ただがむしゃらに走ってただけ。
すると小川はキョトンとした顔をした。
「野口………叫んでた??」
「え???」