トナリの無口くん
「うわ〜〜〜っ!!やめろ〜〜!!」
そう言った野口は、あたしの存在に気がついてあわててた。
「あ〜〜…もう……もうホントの自分は見せないって思ってたのに……」
野口は大人しくなった。
「あれ〜???野口、なにいきなり大人しくなってんねん」
小川がぐりぐりと野口の頬をつつく。
野口はいやそうな顔をしてるけど、ジタバタしたりはしなかった。
「そろそろクラスの奴らが来るだろうが。俺はクラスの奴らの前では無口でいるの」
「別にうるさいままでええやん」
小川が尋ねると、野口が小さく首をふった。
「絶対にイヤ。無口な方が疲れないし」
………ま〜〜たウソついてる、野口。
疲れないだなんて。
だって、小川と話してるときの野口、すごく楽しそうだもん。
ホントの自分でいるときが、一番楽しいんでしょ???