トナリの無口くん


「変なやつに見えると思うけど、野口に愛想つかさんといてな??」

「………なんで???」

「野口はなぁ……ホンマはもっとしゃべりたいと思うねん。でもあいつ恥ずかしがり屋やから……なかなか実行出来へんねん」


あたしは小川の話を聞いてて、感心した。


小川って、ホントに友達思いなんだなあ、って。

一人の友達のために、いろいろな心配してて。

いい人なんだなぁ、やっぱり……



「やからなぁ、高原が野口と打ち解けたら、きっと野口は心の扉を開いてくれるはずやから……」

「……そうかもね……でもさぁ、なんであたしなの??一学期の人に頼めばよかったのに」

あたしがそう尋ねたら、小川はくるっと後ろを向いてしまった。

………え??
怒らせちゃった???




「………高原やから、頼めんねん。信頼してるから」


………えっ??!!!!


あたしは、突然そんなことを言われて、嬉しいのと、恥ずかしいので、頭がパニクってしまった。
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