トナリの無口くん
「テストかえします〜〜〜最高点はぁ〜〜98点で〜〜す」
英語の先生が独特の喋り方で言う。
なんだ、その伸ばし方……??
「うわぁ〜〜〜あかんわぁ」
どこからか小川の声が聞こえる。
そんな悪かったのかな??
そういえば小川は英語苦手だったっけ………
「野口くぅ〜〜ん」
野口がガタンと席を立つ。
早いなあ。
もう野口の番なんだ。
そういえば、小川が言ってた「野口に勝って」ってどういう意味なんだろ??
あたしがそんな事を考えている間に、野口が席に帰ってきた。
「………野口何点??」
あたしは聞いてみた。
表情がいつもと変わらない野口。
何点か想像もつかない。
「……98点だけど」
野口は表情ひとつ変えずに言った。