鳳龍~伝説の少女~
今まで仁を好きだと思った事はないと思う・・・ううん、その気持ち気付いてたけど気付かないフリしてたんだ。






翔がいなくなって、もう恋なんてしないと思ってたし誰とも付き合うつもりなんてなかった。






けど、仁と関わっていくうちにだんだん惹かれていくのを自分でも分かってた。






最初その気持ちはただ仁と翔が似ているからだと思ってた。






確かに似ている部分はある。・・・けど実際は全然違くて、無表情な顔の裏にはちゃんと優しさがあって、口は悪いけどでもちゃんとあたしの事考えてくれてて、分かりにくい優しさだけどちゃんと分かってる。






だからあたしは仁が好き・・・。






必死に走って店の周りを見渡した。






そしてある一角の人気のない階段でタバコを吸っている仁が見えた。






ゆっくりと近付いてあたしに気付いた仁はすぐに視線を逸らして空を見上げていた。






あたしも仁が座っている階段の1個下の段に腰を下ろした。






千「仁、さっきはごめん。あんな事して許されると思ってないけど・・・」
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