鳳龍~伝説の少女~
~過去~Side千紘
あれは、一年前のこの季節だった。







私は、15歳という若さで白龍という族の総長になった。








仲間達はまだ未熟な私を色んな事から救ってくれた。








そんな皆が本当に大好きだった。








でも、私が壊れたのはあの事件がきっかけ・・・。









私には、心から愛する人がいた。








彼は、白鬼という族の総長だった。








総長という立場は、そんな容易い事じゃない。色んな族からも狙われるし、色々と危険と隣り合わせな立場だ。








そんな事、覚悟してたし分かりきってたはずなのに私は、一瞬だけ気を緩めてしまったんだ。








この日は、雨の日で私は1人傘をさして防波堤に立ち、海を眺めてた。








波の音を聞いていると自然に心が落ち着く。私が唯一気を緩められる場所だった。









その瞬間を奴等は狙ったんだ。








私が波の音を聞いて目を閉じた時、後ろから何かで後頭部を殴られた。








鈍い音と共にだんだん意識が遠退いて行く。








必死に相手の顔を見ようとしても体が言うことを聞いてくれない。








もうダメだ諦めた時、意識を手放した。








目が覚めた時、そこは倉庫のような場所だった。

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