鳳龍~伝説の少女~
取り敢えず部屋の中に入ってソファーに腰を下ろす。






座ったのを確認すると壱夜が視線を向ける。






千「昨日、鳳龍の総長に聞いたんだ。1年前のあの事件の日舞冷が消えた日からずっと夜中も探し周ってたって。だから、家に帰れなかったんでしょ・・・ホント、ごめん」






壱「千紘の所為じゃねぇーよ。一番近くにいた俺が異変に気付いていたら・・・」






千「壱夜の所為じゃないよ!あたしが悪いの・・・」






壱「なぁ、取り敢えずあの日何があったんだよ?」






そう聞いて来た壱夜の声はなぜか震えているような気がした。






深呼吸をし、あの日の事を思い出して話し始めた。






千「あの日、雨が降ってた。何だか胸騒ぎがして落ち着たくて1人で海に行ったの。あたしが唯一気を緩められる所だったから・・・けど、それがいけなかったの。その気を緩めた瞬間誰かに後頭部を殴られて気を失ってしまった。目が覚めると見た事もない部屋の中にいて、ある男が入って来た。そいつは、デビル総長雅だった。奴は、あたしの鞄から携帯を出して弄り始めた。電話の相手の人と会話が終わると、あたしは倉庫の外に連れていかれた。そこには、デビルの面子がいてその中央に椅子があってそこに手を縛られて座らされた。その後に、なぜか翔が現れて目の前でナイフで自分を刺したの・・・全然状況が掴めなくてそしたら、デビルの奴等が笑ってた。翔が死んであたしは自分を見失ってしまった。だから、族潰しして何も考えないようにしてた。あたしの異変に気付いた仲間が必死に止めようとしてくれた。でも、その時のあたしは自分を止めることなんか出来なくて、自分の仲間を殴ってしまった。だから、もうあたしはココにいちゃダメだってあたしがココにいたら、仲間が大勢傷ついてしまうと思って姿を消したの・・・ホントごめんなさい。ヒック、うぅ~」




< 79 / 266 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop