case of mistaken identity
ぱち、ぱち


「お見事ですね」

「ノリノリじゃない」

「霄ちゃんがカッコつけてるー」





…好き勝手言ってやがる。


「はぁ…頭冷えてきた」






ボコッ
      ブクブクッ






またしても沸いてくる肉塊達に絶句している俺の横を、落ち着いたテノールが通り過ぎた。


「そろそろ必要ありませんね。
霄様、後ろで少々お待ち下さい」



そういって微笑むマスターの左耳には先程は見られなかった紫水晶のピアスが光っていた。





さっき程まではいかなくとも随分な量にまで増殖した肉塊達を前に、マスターが声を響かせる。















「それでは、これより"調整"を始めさせていただきます」














それに答えるように、リリーが数歩前に出る。
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