たいむおーばーっ!
1st
幼なじみ
幼なじみ。
それは、幼少時によく遊んだ人。
そしてあたしにとっては、邪魔でしかたがない人物……達。
「はよ、杏里。早速だけどさ、キスしたいんだけど。」
そう言って、眼鏡をはずしながら結構整った顔をあたしに近づけてくる。
「やめてよっ!」
高校生活一日目、入学式。
これから約三年間通う高校に向かっている途中に、この男は近づいてきた。
「っていうか何でここにいるの!?おかしいよ!」
朝、いつもよりも早めに起きて、髪をセットしわざわざこいつ等に会わないようにしたはず。
そう、会わないようにしたはずなのに。
「お前、俺を何様だと思ってんだよ。」
にやりと微笑み、眼鏡をかけ直す。
「瀬川奏(セガワカナデ)様ですね、はい。」