たいむおーばーっ!
あたしは、やれやれといったように目の前にいた、眼鏡美形男に言った。
「杏里の考えている事なんてお見通しなんだよな、何年いると思ってる?」
気づけば自然と横を歩いている。
いつも、そう。
あたしが遅れていたら奏はあたしを待っていてくれたし、反対にわざと前に行っても追いかけてくる。
なぜかいつも、一緒にる。
「で。今回はなんで俺をおいていこうとした?」
誰よりも人の下を行くのが嫌いな男。
不機嫌そうに、あたしを見つめている。
「いや、何となくですかね。」
今思えば、こいつと同じ学校に行かなければよかった。
いつも、奏はその容姿で注目を浴びる。
誰もが振り向く容姿、成績は絶対にトップ、おまけに剣道は全国クラス。
「嘘付いたらキスするぞ。」
「奏君と一緒に学校行きたくありませんでした!」