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高熱

「えっとぉ・・・・私・・・あの・・食欲が・・・ゴホ、ゴホ。」

本当に食欲がない。今は何も喉に通したくない。ちょっと気分がいつもと比べて悪いし。

「ダメ。朝ごはんは食べなきゃ。ってかお前が食欲なくすなんて。珍しいな。お前学校では超食べてんのに。気分でも悪いか?」

直樹くんに迷惑をかけちゃだめだ。

「ぁ・・ううん!大丈夫。ゴホ。ただ今は食べる気がしないだけだから。ゴホ。ゴホ。」

私が咳をしながら言いきったその時だった。

私の視界がグラリと回転した。


バタン!


不意に閉じた目を開けると、前には直樹くんの顔。

私は直樹くんの腕の中に落ちたんだ。



「おい。本当に大丈夫かよ。」

「ぁ、ご・・・ごめん!全然大丈夫だから。ゴホ。何かちょっとめまいがしただけだから。全然平気だよ。ご・・ごめんね。ゴホゴホ。ぁ、ありがとう。」

私はそう言うと、直樹くんの腕から起き上がろうとした。
けど、それを阻止したのは直樹くんだった。


「大丈夫な訳ねぇーだろ。お前咳してるし。顔見てると辛そうだし。熱あるんじゃねーの?」

直樹くんが言い終わるのと同時に、私の額に何か冷たい物が乗った。よく見ると直樹くんの手だった。

あ!だめ!これ以上直樹くんに迷惑かけちゃだめだ!

私はとっさに自分の手で直樹くんの手を私の額から離すと、バレないように言った。

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