惚れたのはナルシスト




嬉しくて、嬉しくて、単純なことにも気づかなかった。


「真白ちゃんッ!!」

「げ・・・」



ヤツが戻って来た。



「小田、真白ちゃんに何か用?」

あたしが知ってる限りではヘラヘラしてばっかの、


ヤツが初めて恐い顔を見せた。


美穂のことを睨みつけていた。



「えへへ~♪
真白とアタシ友達になったんだぁ!」

「・・・真白ちゃん、ホント?」

「そうですけどなにか。」


アタシの返事を聞いて納得できてないような顔してた。


「・・・なに、よ」

「いや、何も無い・・・。
ただ、真白ちゃん、これだけは覚えといて?」

「なに?」

「小田には気をつけろ」

強く、強くヤツは言った。

「意味、分かんないよ・・・。」


初めて見る君に戸惑っていた。


< 19 / 55 >

この作品をシェア

pagetop