惚れたのはナルシスト

「真白ちゃん?」

目を背けたアタシに不思議に思ったのか、

顔を覗き込んでくる。

「・・・っ、近づかないで!!」

思いっきり拒んでしまった。

「え?」

「アタシに近づかないでよ!!
そ、それから・・・っ、触らないで!!」

「・・・どうしてそんな悲しいこと言うの?」


言われてハッと気づく、


アタシが、もしも言われたら、


どんな嫌いなヤツに言われても悲しいこと、なんだ、この言葉は。


急いで木崎雪兎を見る。


そこには・・・、


想像していたのとは全然違くって、


意地悪く笑ってる彼が居た。

「えっ?」

思わず声が出た。


それほどまでに予想外だったのだ。





< 23 / 55 >

この作品をシェア

pagetop