惚れたのはナルシスト


うっすら気づいてた。


段々と女の高いキャーキャー言う声が近づいて来るのを。





コイツはホントにモテてるのかもしれない。


「・・・おはようございます。」

「雪兎くんッ!!おはよう!!」

勿論上がアタシ。

下は・・・、美穂。


頬を赤らめて上目遣いをしてヤツを見る。

美穂、ホントに可愛い。


「小田、真白ちゃんに近づくのやめろよ。」

ヤツが冷たく言い捨てると、

美穂はムッとして

「なによッ!
真白ばっかり・・・!!
アタシたち付き合ってたじゃない!
幼馴染じゃないのよッ!
元カノにそれないんじゃないの!!?」

「・・・えぇッ!!?
美穂とコイツ付き合ってたの!!?」

そう言うと美穂はアタシの反応に驚きながらも

「え、えぇ・・・っ、そうよ?」

「似合わないっ!コイツに美穂は勿体無い!!
美穂、こんなんと別れて正解よッ」

言い切ると、その瞬間その場の空気は確かに冷え固まった。

誰も喋らない。

誰も動かない。

「・・・っえ?」

アタシ、なんかしちゃった・・・?



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