華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
「「ひぃっっ」」
二人は声を揃えて悲鳴を上げた。
「ひっ嘉!キレんな!なっ!?」
そう言う李玖の隣で楓がコクコクと頷いている。
そう。
さっきの低い声は嘉。
私も嘉の顔を見てみると……
嘉の後に般若が見えた。
いや、ほんとはいないんだけど
嘉の真っ黒な笑顔が恐すぎて、見える。
般若が。
「二人さぁ、さっきからうるさい。
そんなにモメるならさぁ…」
嘉が言葉を止める。
その間に李玖と楓がゴクリと唾をのんだのが分かった。
「みんなで送ればいいじゃん。」
……………は?
今、なんて?
「そっ!そうだよな!嘉の言う通だ!
なっ!!楓!!」
「あっ…ああ!当たり前じゃねぇか李玖!
さっすが嘉だな!!」
ビビりまくってる二人。
なんとなく満足そうな表情をしている蓮士と結都。
そして般若が消えていつも通りの嘉…。
この人達、怖い。
特に、嘉………。
そう思った瞬間だった。