華〜ハナ〜Ⅰ【完結】





「へぇ〜、幹部が全員同じ車に乗ってるなんておかしいと思ったんだよな。

オヒメサマを護送中ってワケか。」



槇原はそう言って私をニヤニヤと見てくる。




「このっ…」



運転手さんは、いきなりの槇原の登場に驚いて、何かしようとした。


だけど……



「うるせぇ。」




そう言った槇原に、手刀を入れられて気を失った。



仮にも全国No.1の暴走族に入ってるのに…


弱いわね。




私はすんなり気絶した運転手さんを見て情けない気持ちになった。



そしてまだここにいる、槇原に目を向けた。





「悪ぃなあ、女の子の前で。


つかお前、きっれーな顔してんな。

なんつー名前だ?

桜華の姫か?」




なんだ桜華の姫って。

意味分からないし、


「自分から名乗りなさいよ。

常識ないわね。」



暴走族という人種には常識がないのかしら?







< 122 / 417 >

この作品をシェア

pagetop