華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
私がいろいろと考えている間もユズキは私にぎゅっと強く抱き着いている。
そんな私たちを不思議そうにみる5人。
「侑希ちゃん…その子、どうしたの?」
いや…嘉…私に聞かれても…
「分からない。ちょっとした知り合いなんだけと……」
ユズキは私に懐いていた。
だからかな?
こんなにくっついているのは。
私はユズキに
「とりあえず座りましょうか」
と言って、抱き着いたままのユズキをソファに座らせた。
……うーん。
苦しい。
「ユズキ…?いったん離れてくれない?」
私がそう言うと
「お姉さん…もう離れていかない…?」
ユズキは弱々しくそう聞いてきた。
離れる、って言われても…
そんなことをした覚えはない。
でもとりあえず
「分かったから」
と言って離れてもらった。