華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
蓮士side▽
柚が入ってきたとき、侑希はどこかおかしかった。
本人はまったく気付いてないみたいだったが…
一瞬で、その真っ暗な瞳によりいっそうの闇が滲んだ。
それと同時にすぐに消えてしまいそうに儚くもなった。
おかしいといえば、柚もおかしい。
柚は俺が拾った。
雨ん中で、道にぽつんと立ってて今にも倒れそうだったのを家に連れて帰った。
どうして一人だったのか
家はどこで両親はいるのか
いろいろ疑問はあったが…
柚は答えない。