華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
人見知りなのか、俺以外の人とは話そうともしない。
触れられるのも嫌がる。
なのに………
侑希には自分から抱き着いていった。
自分のことは名前しか言わなかった柚のことを
侑希は知り合いだ、と言った。
俺は本当にただの知り合いなのか、いまいち信じられなかった。
多分それは、幹部の4人も同じ。
あと…――
寝ている柚を見る侑希の表情
優しい目…
なのにどこか憎んでいるようにも見える
諦めたような目でもある。
そんな侑希を見て、思わず嘉も名前を呼んでしまったんだろう。
消えていきそうな――
脆く儚い雪みたいだったから。