華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
いつもは極力自分でやるようにしている着替え。
今日はなんとなくそんな気分になれなくて、風を使った。
一瞬で来ていた服から制服に変わる。
楽だな……
私は少し眠たい体を引きずってスクールバッグに教科書とケータイを入れた。
あ………
そういえば蓮士のケータイ。
どこやったっけ?
私がブレザーのポケットに触れると、タイミングよくそこが震えだした。
…電話?
黒い、何もついていないそれを開きディスプレイを見ると『嘉』の文字。
嘉からの電話だった。