華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
私が聞くと、嘉はバツが悪そうな顔をした。
なんだろう?
「あのね…昨日、バイクの集団に会ったよね?」
嘉が言葉を選んで説明してくれているのか分かる。
「あいつら、俺達の敵の暴走族なんだ。」
ふーん。
「で、総長があいつ…昨日侑希ちゃんと話してたヤツね。」
そうだろうね。
「そいつが侑希ちゃんに目をつけた。
桜華を潰しにかかるつもりみたいだし、侑希ちゃんを拉致する可能性もあるんだ。」
へーぇ。
「気をつけてればいいのね。」
私がそう言うと
「ちっげぇ!俺達が侑希を守るんだ!」
隣で楓が焦ったように言った。
……守る?
「いいわよ?そんなことしなくても。
気をつけるし、大丈夫でしょ。」
私がそう答えるとさすがに嘉も焦ったように口を開く。
「いや、侑希ちゃん…。あいつらホントにやばいんだよ。
女の子だからって手加減しないし…
どんな手を使ってくるかわからない。
だから、侑希ちゃんを守りたいんだ。」