華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
何があったのかしら?
私は何も言わず、ただ李玖を見つめた。
「大丈夫じゃねぇ。
気をつけても侑希は女だろ?
嘉もいったろ?あいつらは手加減なんてしやしねぇ。
護衛つけてても狙ってくる。
それなのに…一人でいるなんてあいつらの思う壷だ。
頼むから………
俺らの近くにいてくれよ………」
李玖は普段からは想像も出来ないような苦しそうな声で訴えてきた。
「でも…「でもじゃねぇんだ!」
………………。
李玖は私を真っ直ぐな瞳で見つめてくる。
「侑希………頼むから………」
李玖………………
「分かった……。」
私は、小さく小さく呟くように答えた。
李玖はそのまま部屋を出て行った。