華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
李玖の様子がおかしいと思っているのは私だけみたいだった。
みんな、こうなることは分かっていたとでもいう様な表情。
きっと李玖には何か過去にあったんだろう。
だから、あんなに辛そうで
怯えた様な表情をしていたんだろう。
何分たっただろうか。
嘉が口を開いた。
「気にしなくていいよ、侑希ちゃん。
李玖にも…いろいろあるんだ。」
そうね………。
今は気にしないことにする。
もしも、李玖が自分から話そうとしたときには……
聞いてあげよう。
そう思った。