華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
「ねぇ、どこに行くの?」
ここは広すぎるから、そんな訳はないと思いながらも、迷ってしまうんじゃないかと感じてしまう。
「まだ少し顔色が悪ぃ…。寝てろ。」
蓮士はそう言うと、目の前のドアを開いた。
「何、ここ…」
辿り着いた部屋は、いつもの部屋より小さいけど、普通に比べると大きい。
ベッドが二つ並んでいて、その真ん中には小さい冷蔵庫。
テレビもあるしテーブルも置いてある。
まるでホテルの一室だ、と思った。
「ここ、自由に使っていい。とりあえず寝ろ。」
相変わらずの命令口調で私に寝るように促す。