華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
それでも動かない私を、蓮士は軽々と持ち上げ、ベッドへと下ろした。
「なんで……?」
「あ?」
「なんで寝なきゃいけないのよ?」
私は、やっと聞くことができた。
「顔色悪ぃからだって言ってんだろ?」
……私は色が白いからそんなの分からないんじゃないかな。
私が口を開こうとすると。
「頼むから…心配させんな。
お前はなんでもふさぎ込む、そうだろ?」
蓮士とは会ったばかりなのに、そんなことを言われてしまった。
いつだったか、マスターにも言われた。
『もっと何でも言わないと。』
『ふさぎ込んじゃダメだよ。』
私はふさぎ込んでるつもりはないのだけれど。
そうは見られないみたいだ。