華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
再び窓を見た私は、ハッとした。
……ここには、ユズキがいる。
「ユズキに合わせて。」
私は口を開いた。
結都は急にそんなことを言った私に驚きの表情を見せた。
そして、「何を言ってるんだ」とでも言いたそうな視線を向けた。
だけど、多分ユズキなら……
ユズキと話せば分かる、と思った。
私が寝ている間に起きたことが。
「おい……」
「いいから、ユズキと話しをさせて。」
私がバッと結都の方を振り向いた瞬間。
コンコンッ
と、ドアをノックする音が聞こえた。