華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
楓の過去 大切な日々
「………エリカなんか嫌いだ。」
一週間後。
二人は車で楓の家へと向かっていた。
「ひどいのね、楓。」
エリカは車を運転しながら眉を下げて寂しそうに言う。
エリカの家から楓の家はそう遠くはなく、すぐに着いた。
「さ、行こう?」
車は止まったのになかなか降りない楓にエリカが呼びかける。
楓はエリカを見た。
「絶対にあたしが一緒にいるから、ね?」
寂しそうに言うエリカを見て、楓はしぶしぶという感じで車から降りた。