華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
「捜索願?そんなものが出てるのかい?
あたしゃ知らないね。大方、警察が勝手に出したんだろう。」
フフン、と口角を上げながら言う母親。
エリカですらも言葉を失った。
「で、どうするんだい?そいつ、引き取ってくれんのかい?」
催促するように母親が言った。
エリカは、
「もちろんです。楓はあたしが面倒見ます。
だからあなたは捜索願を取り消して下さい。
いいでしょう?」
そう言い、母親は「今すぐにでもね」そう言って電話をかけはじめる。
電話が終わると、
「いいってよ。そもそもあたしが出したんじゃないからね。警察も首をツッコミすぎだよ。」
母親は高笑いしながら言った。
「さっさと出ていきな。二度とそのツラ見せんじゃないよ。」
楓にそう言って、母親は二人を家から追い出した。