華〜ハナ〜Ⅰ【完結】



「エリカ……」




幼い楓は、最近ずっとエリカだけに頼って生活してきた。


それだけに、そのエリカが弱っている時どうすればいいのかが分からなかった。



だから楓はひたすら震えるエリカの背中をさすりながら「泣かないで」と繰り返した。








「…ゴメンね、楓。
もう大丈夫だよ…。」



何十分か経ってから、エリカが顔をあげて楓に笑顔を見せた。




楓はエリカにぎゅっ…と抱き着いた。



「もう、大丈夫だから…
心配かけてゴメンね。」




今度はエリカが楓の背中をさすりながら言った。





< 222 / 417 >

この作品をシェア

pagetop