華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
「エリカ……」
幼い楓は、最近ずっとエリカだけに頼って生活してきた。
それだけに、そのエリカが弱っている時どうすればいいのかが分からなかった。
だから楓はひたすら震えるエリカの背中をさすりながら「泣かないで」と繰り返した。
「…ゴメンね、楓。
もう大丈夫だよ…。」
何十分か経ってから、エリカが顔をあげて楓に笑顔を見せた。
楓はエリカにぎゅっ…と抱き着いた。
「もう、大丈夫だから…
心配かけてゴメンね。」
今度はエリカが楓の背中をさすりながら言った。