華〜ハナ〜Ⅰ【完結】




「楓、小学校に行きな?」

「は…?」



エリカが急に、思い付いたように言ったため、楓は何の事か理解できなかった。



でも、




「学校…行けるの?」




エリカが言ったことの意味が分かると、とても嬉しそうな表情をした。





楓は家に閉じ込められた状態だったとき、外から聞こえてくる子供の声に憧れていた。


楽しそうに、ときにはケンカもしながら大勢の友達とわいわい言いながら登下校する。


窓から見る自分と同じ歳くらいの子供は、ランドセルを背負って、体にはかすり傷を作って。


いつも楽しそうだった。



そんな、普通の生活に強く憧れていたのだ。




それが、エリカのおかげで現実のものとなり、楓は小学校に通うことが決まった。






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