華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
「ふぁ〜…」
リビングに楓のあくびの声が響いた。
「疲れた?」
エリカの言葉に「ん…」と楓は眠たそうに答えた。
「もう4時だ…。
あたし、仕事行かなきゃ…」
楓はエリカの方をチラッと見て、再び勉強を始めた。
エリカは部屋に入っていき、リビングには楓一人になった。
楓は、エリカが何の仕事をしているのか知らなかった。
ただ、母親が仕事に行くと言っていたのはいつも朝だったため、気にはなっていた。
でも、楓が聞いてもエリカはなにも答えてはくれなかった。