華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
肌は雪のように白く、それが真っ赤な形の良い唇を際立たせている。
制服から伸びた手足はすらりと長い。
緩くパーマのかかったダークブラウンの髪の毛は、日本人離れした顔によく似合っていた。
しかしその目は……
一切の光を拒絶する真っ暗な闇そのものだった。
俺はその女に目を奪われながら、無意識に呟いていた。
「−−−−……ハナ……−−−−−」
その瞬間、女の顔は悲痛そうに歪んだ。
………ハナって誰だ?
なんだか凄く懐かしい言葉のように思う。
「あっれー?侑希じゃん!」
俺の隣で李玖が言うと、俺はやっと周りのことが理解出来た。
「侑希ちゃん?」
…なんだ?
嘉も知っているのか?