華〜ハナ〜Ⅰ【完結】




肌は雪のように白く、それが真っ赤な形の良い唇を際立たせている。


制服から伸びた手足はすらりと長い。


緩くパーマのかかったダークブラウンの髪の毛は、日本人離れした顔によく似合っていた。




しかしその目は……

一切の光を拒絶する真っ暗な闇そのものだった。




俺はその女に目を奪われながら、無意識に呟いていた。


「−−−−……ハナ……−−−−−」



その瞬間、女の顔は悲痛そうに歪んだ。


………ハナって誰だ?


なんだか凄く懐かしい言葉のように思う。














「あっれー?侑希じゃん!」

俺の隣で李玖が言うと、俺はやっと周りのことが理解出来た。



「侑希ちゃん?」


…なんだ?

嘉も知っているのか?




< 25 / 417 >

この作品をシェア

pagetop