華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
泣いた女の子を放ったまま楓が教室に戻ると
「見てたぜ〜、楓!」
「見てたんだ?」
楓の肩に腕を絡めながら圭祐が言った。
二人は五年生に上がるときのクラス替えでも一緒になったため、六年生まで同じクラス、ということになった。
「あれって一組の西野さんだろ?
なんでフるんだよ〜!」
楓は机に座り、その前の席に圭祐が座った。
「知らないし、あの子。」
楓は告白のあと必ず機嫌が悪い。
「ふーん。
結構カワイイと思うけどな。」
そう言う圭祐を、楓はチラッと見た。