華〜ハナ〜Ⅰ【完結】




泣いた女の子を放ったまま楓が教室に戻ると



「見てたぜ〜、楓!」


「見てたんだ?」




楓の肩に腕を絡めながら圭祐が言った。


二人は五年生に上がるときのクラス替えでも一緒になったため、六年生まで同じクラス、ということになった。




「あれって一組の西野さんだろ?

なんでフるんだよ〜!」



楓は机に座り、その前の席に圭祐が座った。



「知らないし、あの子。」



楓は告白のあと必ず機嫌が悪い。



「ふーん。

結構カワイイと思うけどな。」




そう言う圭祐を、楓はチラッと見た。




< 253 / 417 >

この作品をシェア

pagetop