華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
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俺達は今、溜まり場としている”城”と呼ばれる建物に来ている。
「嘉…あいつは…何だ?」
俺は、いつものソファに座ったまま嘉に尋ねた。
「侑希ちゃんのこと?編入生らしいよ。」
編入生?
「そーそー!侑希ってさ、俺らのことも知らねぇの!」
李玖が話しに加わってきた。
「は?桜華‐オウカ‐を知らねぇ…?」
それまで大して興味もなさそうだった楓‐カエデ‐が言った。
「ほんとに知らないみたいだったよ?今日、少し話したんだけどね。」
嘉が少し笑いながら言った。
本当に知らない…?
自惚れている訳ではないが、俺達の暴走族桜華‐オウカ‐は全国でNo.1に君臨している。
活動範囲は広くないが、有名になると県外の族は向こうからやって来た。
そうやって全国No.1まで上り詰めた。
だから、正直桜華の名前ぐらいは誰もが知っていると思っていた。