華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
「おはよう、楓!」
「おはよう。」
後ろから圭祐に声をかけられ、楓が挨拶を返す。
「なぁ楓、聞いてくんねぇ?」
なんだろうと思い、首を傾げてみせると。
「今日学校来るときに黒いワンピース一枚の女の子見たんだ。」
圭祐は、楓が見たのと同じ女の子の話を始めた。
「もう秋だぜ?さすがに寒くね?」
「うん…寒いよね。俺もその子みたかも。」
楓がそう告げると、
「楓もか!可愛い子だったよな!」
ニカッと笑いながら冗談っぽく圭祐が言った。
「顔はあんまり覚えてない」と言うと「ちぇっ!ちゃんと見とけよな〜!」と言って圭祐は自分の席に座った。