華〜ハナ〜Ⅰ【完結】



エリカだ…


楓は一日ぶりに見るエリカに、涙が出そうだった。


なんとなく…

「おかえり」といつもの笑顔で言ってくれるような気がして。




でも……




「どうして来たの?出て行ってって言ったでしょ?」



エリカは冷たい目をしてそう言い放った。





…やっぱり。


楓は目を伏せた。




「でも調度良かった。

楓にはここを出て寮に入ってもらうから。」



エリカはリビングを出て楓の部屋へ行く。


楓もそろそろとついて行くと、部屋は綺麗に片付けられていた。



多分すべての荷物は部屋の真ん中にある、あのダンボールの中。





< 313 / 417 >

この作品をシェア

pagetop