華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
エリカだ…
楓は一日ぶりに見るエリカに、涙が出そうだった。
なんとなく…
「おかえり」といつもの笑顔で言ってくれるような気がして。
でも……
「どうして来たの?出て行ってって言ったでしょ?」
エリカは冷たい目をしてそう言い放った。
…やっぱり。
楓は目を伏せた。
「でも調度良かった。
楓にはここを出て寮に入ってもらうから。」
エリカはリビングを出て楓の部屋へ行く。
楓もそろそろとついて行くと、部屋は綺麗に片付けられていた。
多分すべての荷物は部屋の真ん中にある、あのダンボールの中。