華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
「は……?侑希?」
楓は驚いた顔をしている。
多分、良かったの意味が分からないんだろう。
「…楓は生きてるじゃない。」
そう。
私が良かったと言ったのは、そのこと。
「うん…。」
何を思ったのか、顔を伏せながら頷いた楓。
そういえば。
楓はどうして私だけは平気なんだろう。
女が怖くて、信じられないのに。
近付こうともしないのに。
それを尋ねてみれば。
「分かんない…。でもね、なんとなく…なんとなくだけど、似てるんだ。…エリカに。」
ドクン――
私の心臓は大きく波打った。
…似てる………。
そうか。