華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
でもまだ蓮士たちは動こうとしない…
私は今度こそ
「ねぇ、もう帰りましょう?」
そう言った。
言った瞬間、全員の視線が私に向けられる。
…タイミング間違ったのかしら?
「解決してないの?したわよね?」
私は口角を上げて、全体に尋ねる。
「ねぇ蓮士。まだ足りないの?
謝ってくれてるわ。弘夜も無事。
私たちが許せば終わりよ。
…許すこともまた強さだと思うわよ?」
「侑希………」
蓮士の顔が歪む。
それだけ、弘夜のことを思っていたことが私にも伝わる。
「蓮士………。」
私は、分かるでしょう?という気持ちを含んでその名前を呼ぶ。
「総長……、俺もう大丈夫っスよ?
みなさんが来てくれたんスから!!」
弘夜のその言葉が蓮士の背を押して…
「分かった……。もういい。」
そう、小さく呟いた。