華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
「今日…許すことも強さだって言っただろ?」
ふと、全く違うことを言い出す。
「言ったわね…」
「侑希が考える強さって…一体何だ?」
どうして急にそんなことを聞くんだろう。
今日の蓮士は、いつもと違って困る。
「急に…どうしたの?」
「…いつも、思ってた。」
どういうことか、分からない。
何が、言いたいの……?
「侑希は何を見てる?俺たちと同じものを見てるようで…違うんじゃねぇか?」
「なんで…そう思うのよ?」
「侑希は…どんだけ笑ってても目が笑わない。どんだけ優しく話しても…それにはどこか冷たさがある。」
そんなことを言われるとは、思わなかった。
どうしてそんなことを聞かれるのかも分からない。
「侑希のことを知りたい。なんでもいいんだ。とにかく…侑希を知りたい。」
「そう……。」
私はやっぱり蓮士の目が見れない。
「なんでもいいんだ…。」
「どうして私のことが知りたいなんて言うの?」
私も、蓮士のことは何も知らない。
なのに…
こんなに関係の薄い私のことを知りたいなんて…――。
それに、知らないほうがいい。