華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
どうして…
「どうして私にそんなことを言うの?」
出会って間もない。
何も知らないのに、どうして?
「分からねぇ…。でも、俺は侑希が城に来たときから…いや、初めて見たときからお前に近くにいてもらいたいと思ったんだ。」
私は依然抱きしめられる形だから、その表情は見えない。
だけどきっと、蓮士の目はいつもの真っすぐすぎるものなんだろう。
「………私はあなた達とは違う。
私に関わるべきじゃない…」
私は半ば自分に言い聞かせるように、そう呟いた。
「知るかよ。
…俺はお前が必要なんだよ。」
私の小さな抵抗も虚しく散る。
私は……
光を見ても、いいの………?