華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
それをきっかけにして、再び教室は騒がしくなった。
「何あれ!めちゃくちゃ美人じゃん!」
「やべぇ!モロタイプ!」
「ばっか!お前じゃ吊りあわねぇよ」
「きゃーかわいいっ!」
「色白っ!」
「スタイルめっちゃいいし!」
「うらやましぃ〜。」
「あれで彼氏いないの?嘘でしょ。」
「まじ人形みたい。」
……人形。
そうね。
私はマスターの言いなりになるただの人形。
「じゃあ栗栖さん。席は窓際の後ろから二番目ですから、座って下さい。」
私が席に向かう間も、クラス中からの視線と何かを尋ねる声は絶えず、私はそれを気にも留めずに席についた。