華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
「……んん……っ……」
私は、なんだか眩しくて目が覚めてしまった。
ここ、日があたるんだ…。
せっかく眠れたのに、寝起きが最悪。
「はぁ……。」
私は、溜め息をついた。
「起きたのかよ。」
急に、声がした。
声がしたほうを見ると、物凄く不機嫌そうな顔をしたさっきの男。
「てめぇすやすやと寝やがって。」
口が悪いなあ。
「てめぇのせいで俺は寝れなかったんだぞ?」
「知らないわよ。」
それにさあ、
「寝たいなら、ここじゃないところで寝ればいいじゃない。」
そう。保健室だって行けるんでしょ?
「誰も知らない所じゃねぇと安心して眠れねぇ。人が来るとこじゃだめなんだ。」
……ただの我が儘か。
「我が儘じゃねぇぞ?」
なんで私の思ったことが分かったんだろう?