華〜ハナ〜Ⅰ【完結】




「……んん……っ……」



私は、なんだか眩しくて目が覚めてしまった。



ここ、日があたるんだ…。



せっかく眠れたのに、寝起きが最悪。



「はぁ……。」


私は、溜め息をついた。


「起きたのかよ。」



急に、声がした。



声がしたほうを見ると、物凄く不機嫌そうな顔をしたさっきの男。



「てめぇすやすやと寝やがって。」



口が悪いなあ。



「てめぇのせいで俺は寝れなかったんだぞ?」

「知らないわよ。」



それにさあ、



「寝たいなら、ここじゃないところで寝ればいいじゃない。」



そう。保健室だって行けるんでしょ?



「誰も知らない所じゃねぇと安心して眠れねぇ。人が来るとこじゃだめなんだ。」



……ただの我が儘か。



「我が儘じゃねぇぞ?」




なんで私の思ったことが分かったんだろう?




< 57 / 417 >

この作品をシェア

pagetop