華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
もしかして女だって認められていないのかもね。
まあ自分に女らしさがあるとは思わないけど。
「侑希?」
「ん?」
「どうかしたか?」
楓がそう聞いてきたから、私は思っていたことを素直に話した。
「楓は女嫌いなのに私には普通だから、私のことを女だと認めていないんじゃないかと思って。」
そう言うと楓は焦ったように
「いやっ!最初に見たときははっきり言って¨女だっ¨って思って鳥肌が立ったけど。なんつーか、話したら侑希は普通の女達とちげぇし…うまく言えねぇけど侑希なら大丈夫みてぇなんだ。
意味わかんねぇよな。」
楓はそう言って困ったように笑った。
それは、後悔や困惑した顔ではなくて、
どこか安心したような、そんな笑顔だった。