華〜ハナ〜Ⅰ【完結】
それにしても…困った。
いや、楓といることが困った訳じゃない。
………眩しいんだ。
昼になって、影だったはずのここにも日が差し込んでくる。
太陽になれない私には眩しい……。
「侑希?どうかしたか?」
……楓は私の変化によく気が付く。
本当にありがたいと思う。
「…眩しい…………。」
「は?」
楓は、意味が分からないとでも言いそうな声を挙げた。
でも私はそんなことお構いなく、まだ影がある、隅のほうの壁にぴったりとくっつくようにして座った。
「そんなに眩しいか?」
楓は不思議そうに上を見る。
太陽の下にいる者に平等に降り注ぐ光。
すべてを癒すような、暖かな光。
……………私には似合わない。